
家を建てるなら、おしゃれで開放感のある「中庭のある家」に憧れる方も多いのではないでしょうか。リビングとつなげて広々とした空間を演出したり、アウトドアリビングとして活用したりと、中庭があると日常生活での楽しみ方が広がります。
しかし、「おしゃれな中庭を作りたいけれど、どんなデザインがいいの?」「住んでからのメンテナンスは大変じゃない?」など、不安に思うこともあるかもしれません。そこでこの記事では、「中庭のある家」を建てるときに知っておきたい5つのポイントを詳しく解説します。
中庭のある家とは

中庭とは、建物の内部に設けられた屋根のない屋外空間のことです。建物に囲まれた「ロの字型」や、一部が開放された「コの字型」など、設計によってさまざまな形があります。
中庭のある家は、外からの視線を遮りつつも自然光や風を取り入れられるのが魅力です。中庭をリビングやダイニングとつなげることで、開放感を感じられるでしょう。一方で、設計次第では日当たりや風通しが悪くなることもあるため、間取りのプランを決める段階で、工夫も必要です。
中庭のある家の魅力

中庭のある家を計画する前に、どのような魅力があるのか理解しておきたいものです。ここでは、中庭のある家の魅力の以下3つのポイントを解説します。
- プライベートな空間が作れる
- 風と光を採り入れられる
- 開放感が得られる
プライベートな空間が作れる
中庭のある家は、開放感がありながらも、周囲の環境に左右されずに快適に過ごせるのが魅力です。例えば、敷地が道路に面していたとしても、車や通行人の目を気にせずに過ごせます。
また、中庭に面して大きな窓やガラス扉を設けることで、視線が抜け、実際よりも広く感じられる効果もあります。リビングやダイニングに隣接して中庭を設けることで、屋外とのつながりを感じやすく、開放的な雰囲気が高まるでしょう。
風と光を採り入れられる
中庭のある家は、風と光を効果的に採り入れられるのが大きな魅力です。家の向きや敷地の広さに関係なく、自然光を室内に取り込みやすいというメリットがあります。
例えば、北向きの部屋は通常、日当たりが悪くなりがちですが、中庭を設けると十分な採光が可能になります。
また、風通しの良さも中庭の大きな利点です。中庭に面した窓を開ければ、家の中心まで風が流れ込み、自然と換気ができます。風通しの良い家は、夏の暑い日や湿度の高い日でも、エアコンに頼りすぎずに快適に過ごせるでしょう。
開放感が得られる
中庭のある家は、室内にいながらも屋外のような開放感を味わえるのが大きな魅力です。ウッドデッキを設置して室内と中庭の高さを揃えると、より一体感のある空間が生まれます。
アウトドアリビングとして、リビングが中庭とつながるように感じられるでしょう。開放的な住まいを求める方には、中庭と室内をつなぐ大きな窓をつけるのがおすすめです。
中庭のある家を建てるときの注意点3つ

入居後に間取りやプランを大幅に変えるのが難しい注文住宅では、建てる前に注意点を知っておきたいものです。ここでは、中庭のある家を建てるときの注意点、以下の3つをご紹介します。
- 建築コストが高くなる
- 熱暖房効率が落ちやすい
- メンテナンスコストが高くなる可能性がある
建築コストが高くなる
中庭のある家は、比較的建築コストが高くなりやすいため、注意が必要です。中庭を作ることで庭に面する壁が増えるため、シンプルな長方形の家よりも外壁の面積が大きくなります。その分、外壁や基礎などの材料費もかかります。
また、家の形状が複雑になると強度を確保するための補強工事が必要になることもあるため、建築費用が高くなる傾向にあります。タイルデッキやウッドデッキを敷いたり、植栽を施す場合には外構にもコストがかかるため、予算計画をしっかり立てましょう。
熱暖房効率が落ちやすい
中庭のある家では、採光や通風を確保するために窓を多く設けることが一般的ですが、窓は壁よりも断熱性能が低いため、冷暖房の効率が落ちやすくなります。
大きな窓は開放感を得られますが、夏は室内が暑くなりやすく冬は冷気が入り込みやすくなることも考慮しておかなければなりません。冷暖房効率を高めるためには、窓の断熱性能を向上させるために、樹脂サッシやトリプルガラスを採用するのも効果的です。
メンテナンスコストが高くなる可能性がある
中庭のある家は、外壁の面積が増えるため、メンテナンスコストが高くなる可能性があります。外壁は、10〜15年ごとに塗り替え工事をするのが一般的ですが、外壁の面積が広いと、その分、施工費用も上がります。
また、窓が多いと、窓ガラスや網戸の掃除の手間も必要になることは理解しておきましょう。快適な空間を維持するために、住んでからメンテナンスが必要になることも想定しておきましょう。
動線が長くなる
中庭のある家は、建物の中心に中庭を配置するため、室内の動線が長くなることがあります。例えば、中庭を挟んで反対側の部屋へ移動するときには、ぐるっと回り込まなければならず、生活の中で不便を感じることもあるかもしれません。
特に、家事や育児で頻繁に移動する場合、動線の長さがストレスになることも考えられます。そのため、中庭をつけるときには、動線を意識した間取りを計画することが重要です。
例えば、中庭に面した通路を設けたり、リビングから水回りなど、必要な場所へスムーズに移動できるように設計すると効果的です。動線を工夫することで、中庭のデメリットを最小限に抑えつつ、快適な住環境を作れます。
自宅の中庭での過ごし方3選
中庭のある家を建てる前に、どのような過ごし方ができるのか把握しておきたいものです。ここでは、中庭での過ごし方、以下の3つをご紹介します。
- アウトドアリビングとして活用する
- 家庭菜園やガーデニングを楽しむ
- リラックス&プライベート空間として使う
アウトドアリビングとして活用する
中庭をアウトドアリビングとして活用すれば、屋外の開放感を楽しむことができます。屋外ソファやガーデンテーブルなどの家具を選ぶときには、耐候性に優れた素材を選びましょう。
また、日差しをコントロールする工夫として、オーニングをつけるのもおすすめです。オーニングとは、日よけや雨よけのために窓やテラスに取り付ける可動式の屋根やシェードのことです。
子どもがいる家庭では、夏にはビニールプールを置いて水遊びを楽しむこともできます。プライベートな空間で安全に遊べるため、家族みんなで特別な時間を過ごせるでしょう。
家庭菜園やガーデニングを楽しむ
中庭を活用して家庭菜園やガーデニングを始めれば、自然を身近に感じながらリラックスできる空間になります。初心者には、バジルやミニトマト、葉物野菜のほうれん草など、育てやすい種類がおすすめです。
子どもと一緒に家庭菜園を楽しむなら、簡単に育てられる野菜を選び、水やりや収穫を任せると食育にもつながります。育てた野菜を使った料理を一緒に作れば、さらに楽しみが広がるでしょう。
リラックス&プライベート空間として使う
中庭をリラックスできるプライベート空間にすれば、普段の生活の中で自然を感じながら心を落ち着かせるひとときを楽しめます。
プライバシーを確保するには、フェンスや目隠しとなる植栽を活用するのもポイントです。紅葉樹を植えると、季節の変化も楽しめて、冬はイルミネーションを飾れば幻想的な雰囲気を演出できます。自然を身近に感じられる住まいづくりに、中庭は最適です。
中庭のある家は建築会社に相談しよう

中庭は、開放感があり、自然を身近に感じながら快適に暮らせる魅力的な間取りです。しかし、デザイン性だけでなく、プライバシーの確保やメンテナンスのしやすさなど、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
また、中庭でどのように過ごしたいかによって、設備の選び方も変わります。家族が集まるリラックス空間にするのか、ガーデニングや家庭菜園を楽しむ場にするのか、ライフスタイルに合わせてプランを考えましょう。今回紹介した5つのポイントを参考にしながら、自分にぴったりの「中庭のある家」を設計してみてはいかがでしょうか。
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