
家を建てるなら、家族が健康的に暮らせる住宅がほしいと考えたことはありませんか。しかし、「健康にいい家って、具体的にどういうもの?」「健康に配慮するなら、何をすべき?」といった疑問を持つこともあるかもしれません。
意外と知られていませんが、注文住宅は、間取りや素材の選び方によって過ごしやすい室内環境を作れるため、健康にも影響を与えることがあります。
そこで今回は、健康的に暮らせる家づくりの5つのポイントを解説します。家族みんなが健康的で快適に暮らせる家を建てたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
家づくりと健康は関係ある?
見落としがちですが、家と健康は密接に関係しています。例えば、湿度や換気を管理することで、室内環境を快適に保つことができます。
また、バリアフリー設計にすれば、転倒などの事故を防ぎ、年配の方だけでなく小さな子どもも安心して暮らせます。住環境を整えることは、暮らしやすさを追求するだけでなく、家族の健康を守るための手段の1つです。
健康的に暮らせる家づくりの5つのポイント

「健康的に暮らせる家づくり」と聞いても、いまいちピンとこない方もいるかもしれません。ここでは、健康を考慮したときの家づくりのポイントを、以下の5つ解説します。
- 高気密・高断熱を取り入れる
- 日光を採り込む
- 換気をしやすくする
- 自然素材を取り入れる
- ユニバーサルデザインを取り入れる
高気密・高断熱を取り入れる
健康的に暮らせる家を目指すには、高気密・高断熱を取り入れましょう。高気密・高断熱の住まいは、外気の影響を受けにくく室内の温度を一定に保ちやすいという特徴があります。
また、高気密・高断熱住宅は結露の発生も抑えられるため、アレルギーの原因にもなるカビやダニが発生しにくい環境と言えます。
日光を採り込む
健康的に暮らせる家を建てるには、日光を取り入れることは欠かせません。冬は太陽の熱を利用して室内を暖め、夏は直射日光を防ぐことで快適な環境をつくる「パッシブデザイン」を、マイホームの建築にぜひ取り入れてみてください。
例えば、南向きの大きな窓を設置すると、冬の低い太陽光を室内に取り込むことができます。一方で、夏は庇(ひさし)や軒をつけて、高い位置から差し込む強い日差しを遮る工夫も欠かせません。 家を建てる前に採光を計画すれば、照明をつけなくても自然光で過ごしやすくなります。
換気をしやすくする
健康的な住まいを実現するためには、換気のしやすさも欠かせません。現代の住宅は高気密化が進んでいるため、空気の流れを作っておくことが大切です。
なお、現行の建築基準法では、シックハウス対策として24時間換気設備を設置することが義務付けられています。24時間換気設備は、機械換気によって一定の割合で室内の空気を入れ替える仕組みのことです。
しかし、より効果的に換気を促すには、自然換気を取り入れることがおすすめです。空気は、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動するという性質があります。
例えば、北側の低い位置に窓をつけると冷たい空気が部屋に入り込み、南側の高い位置の窓からは暖かい空気が外へ抜けていくため、自然な空気の流れが生まれます。プランの段階から、空気の流れを意識して家づくりを進めましょう。
自然素材を取り入れる
家づくりで健康にも配慮するなら、自然素材を取り入れるのもポイントです。例えば、無垢材は断熱・調湿効果が高く、室内の温度や湿度を快適に保つため、夏は涼しく冬は暖かい環境に保つことができます。
また、無垢材が発する木の香りにはリラックス効果があるため、森林浴のような居心地の良さを感じられるでしょう。無垢材は、見た目の良さだけでなく、快適で健康的な家づくりを目指すときにはぴったりの素材です。
自然素材を使った家づくりについては、以下の記事を参考にご覧ください。
関連記事:自然素材を使った平屋づくり!その魅力や施工事例をご紹介
ユニバーサルデザインを取り入れる
健康的な家づくりを目指すなら、誰もが安心して暮らせる「ユニバーサルデザイン」の考え方を取り入れてみてください。特に、高齢者や子どもがいる家庭では、住宅の安全対策を講じることで、転倒やケガのリスクを減らせます。
例えば、室内の段差をなくしておくと、つまずきによる転倒といった室内の事故を防ぐことができます。また、今すぐに介助が必要な家族がいなかったとしても、将来に備えておくことは大切です。
ほんの一例ですが、廊下やトイレの幅を広げておけば、手すりを取り付けるといった簡単な工事で車椅子や歩行補助器でもスムーズに移動できるようになります。
健康的な家を建てるメリット

健康的な家を建てるメリットには、以下の3つがあります。
- ヒートショックを防げる
- 熱暖房費を抑えられる
- 心地よさを感じる
- 資産価値を高められる
ヒートショックを防げる
健康的な家を建てる大きなメリットの1つが、ヒートショックの予防です。ヒートショックとは、急な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすことを指します。
冬場の浴室や脱衣所、トイレなどは暖房が行き届きにくく、リビングとの温度差が大きくなりやすいため注意が必要です。
例えば、高気密・高断熱の住宅であれば、家の中の寒暖差を抑えられるため、ヒートショックのリスクを軽減できます。また、家を建てるときに、床暖房や浴室暖房をつけておくのもおすすめです。
冷暖房費を抑えられる
健康的な家を建てるメリットには、冷暖房費を抑えられることもあります。特に、高気密・高断熱住宅は、冬場の暖房や夏場の冷房効率が向上するため、エアコンの稼働時間を減らせるでしょう。
室内の温度ムラが少なくなることで、温度変化による体への負担も軽減できます。
心地よさを感じる

健康的な家を建てるメリットの1つは、心地よさを感じられることも挙げられます。窓の配置を工夫し、風の通り道を確保しておくことで、自然の風が家全体を通り抜け、エアコンを頻繁に使わなくても快適に過ごせます。
また、大きな窓や吹き抜けを設計に取り入れると、自然光をたっぷり取り込むため気持ちのよいリビングが作れます。空気の流れや採光を工夫した家であれば、リラックスしやすい環境が整います。
資産価値を高められる
健康的な家は、耐久性や快適性に優れているため、資産価値を高める要素が多く含まれています。高気密・高断熱設計や適切な換気システムを備えた住宅は、住み続けるうえでのランニングコストやメンテナンスコストを抑えることにもつながります。
また、健康への意識が高まる現代では、健康にも配慮した住宅は需要が高いため、いずれ売却を考えたときにも大きな強みとなります。そして、長期優良住宅として国の認定を受ければ、税制優遇や補助金の対象となることも魅力です。
初期投資は一般的な住宅より高くなりますが、光熱費の削減などによって、長期的に見れば回収できる見込みがあるでしょう。
健康に良い家づくりは専門家に相談しよう

健康的に暮らせる家を実現するためには、温度調整や湿度管理、素材選びなどの工夫が欠かせません。高気密・高断熱設計で温度差を抑え、自然素材を活用することをおすすめします。また、日光の採り入れ方やユニバーサルデザインを考慮すれば、家族が安心して暮らせる家が建てられます。
健康的な住まいを手に入れるためには、計画段階からしっかり準備しておくことが重要です。まずは、自分たちの生活スタイルに合わせた設計を建築士などの専門家に相談して、理想の家づくりを始めましょう。
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