出典:兵庫県内の平屋の施工事例
ワンフロアで生活できる平屋の建築棟数が増加傾向にあり、兵庫県内においても平屋を検討する方が増えているでしょう。もともとは日本の伝統的な家屋といったイメージが強い平屋ですが、モダンなデザインや近年の生活スタイルに合わせた平屋が増えており、幅広い世代から注目されています。
そこで、今回は、平屋を建てるメリットに加え、おしゃれな家を建てるポイントを解説します。さらに、兵庫のおしゃれな平屋の建築事例も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
平屋の建築棟数が増加
平屋の人気が高く、建築棟数が増えているといっても、実際にどれくらい増えているのか気になる方も多いでしょう。
国土交通省が発表している「建築着工総計調査」によると、2015年に建てられた建築物は494,755棟、平屋は69,260棟であり、2019年まで増加傾向にありました。しかし、新型コロナウイルスの影響により、平屋だけでなく全体の建築棟数が減少しています。
とはいえ、全体の建築棟数が減少しているものの、2020年以降は平屋の建築棟数が増加し、2022年にはコロナウイルスの影響を受ける前よりも多い85,900棟の平屋が建てられています。つまり、平屋はコロナ渦以前の水準を超えて建設されているということになります。
※国土交通省「建築着工総計調査」を加工して作成
平屋とは?
平屋とは、室内に階段がなく、リビングやキッチン、浴室やトイレといった生活するうえで必要なスペースがワンフロアで完結している建物のことです。
もともと、日本の伝統的な家屋では、平屋が主流でした。しかし、人口増加や都市開発などの影響により、同じ敷地面積でも、延べ床面積を確保しやすい2階建てや3階建てといった複数階層の住宅が増えていったのです。
平屋を建てる5つのメリット
平屋の人気が高まり、建築棟数が増えていることは理解できたものの、平屋にはどういった特徴やメリットがあるのか、いまいちわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、兵庫で平屋を建てる5つのメリットを詳しく見ていきましょう。
平屋のメリット① バリアフリーで暮らしやすい
平屋は階段がなく、1階部分にすべてのスペースが集約されていることから、バリアフリーで暮らしやすいのがメリットです。生活動線や家事動線に階段がないので、小さなこどもやご年配の方が生活していても、危険な目に遭うリスクは非常に少なく、安全に暮らしやすいでしょう。
2階建て、3階建ての場合、上階をこども部屋にすることが多いかもしれません。しかし、将来的にこどもが巣立ち、ライフスタイルや家族構成が変わると、こども部屋の使い道に悩まれる方も多いでしょう。
一方、平屋であれば、すべてのスペースが1階にあり、リフォームすれば有効活用しやすいのもメリットです。
平屋のメリット② 家族とのコミュニケーションを取りやすい
平屋は間取り次第で、家族とのコミュニケーションが取りやすい空間になります。2階建て、3階建ての住宅の場合、玄関から廊下へとつながり、そのまま階段をのぼってそれぞれの部屋へとつながる動線になることが一般的です。
しかし、玄関からリビングを通らず、それぞれの部屋に行くことができるので、家族間のコミュニケーションが取りにくいともいえるでしょう。
平屋なら、それぞれの部屋が1階にあるので、自然と家族とのコミュニケーションが取りやすくなります。もちろん、プライベートを確保するために、間取りを工夫すれば、リビングを通らずに自室に行くといった設計も可能です。上階が存在すると多少間取りに制約が生まれることがありますが、そういった心配がないので、使い勝手やライフスタイルに合わせたプランニングができるのも平屋の魅力といえます。
平屋のメリット③ 耐震性・耐風性が高い
平屋は耐震性や耐風性に優れているのもメリットのひとつです。建物の高さが高くなるほど、地震が起きたときの揺れが強くなります。あまりイメージしにくいかもしれませんが、「振り子」を想像すればわかりやすいでしょう。
平屋は、2階建てや3階建ての複層階層の住宅よりも、建物自体の高さが低いので、地震による揺れの影響を受けにくいといえます。そのほか、台風などの強風が発生するときも、建物の高さが低いことから、風の影響を受けにくいといったメリットがあります。
平屋のメリット④ メンテナンスにかかる費用を抑えられる
家は建てて終わりではなく、定期的にメンテナンスする必要があり、その都度費用がかかるのが一般的です。とくに、外壁や屋根は、家が引き渡しされてから24時間365日、外気にさらされており、紫外線や雨の影響を受け続けています。
そのため、建物の中と比べると、劣化の進行が早く、使用している外壁材や屋根材によっては引き渡しから10~15年程度でメンテナンスしなければなりません。もちろん、メンテナンス内容に応じた費用が発生するので、急な出費に驚かれる方もいるでしょう。
複層階層の住宅の場合、屋根塗装や屋根の葺き替え工事、外壁塗装をおこなうときは、足場を組むことが一般的であり、メンテナンスの度に足場代がかかってしまいます。しかし、平屋であれば、脚立などを利用することで屋根や外壁のメンテナンスをおこなえるので、足場代がかからず、メンテナンスにかかる費用を抑えられます。
なお、平屋は、2階建てなどの複層階層の住宅よりも外壁の面積が小さいので、使用する塗料の量が少なく済み、トータルでかかるメンテナンス費用が安く済むのもメリットでしょう。
平屋のメリット⑤ 効率的な家事動線を確保しやすい
平屋は上下移動がないので、効率的な家事動線を確保しやすいのがメリットです。たとえば、ランドリールームが1階にあり、衣服を収納するクローゼットが2階や3階にある場合、衣服を収納する度に階段を上らなければなりません。
しかし、階段がない平屋であれば、上下移動の必要がなく、ランドリールームから収納スペースまで効率的に移動できます。
平屋を建てる3つのデメリット
平屋にはさまざまなメリットがありますが、実際に平屋を検討するにあたり、どのようなデメリットがあるのかを理解しておいたほうがいいでしょう。
ここでは、平屋を建てる3つのデメリットと対策を紹介します。
平屋のデメリット① 広い敷地が必要
平屋を建てるには、複層階層の住宅と比べると、広い敷地が必要です。たとえば、同じ土地に同じ延床面積の平屋と2階建て住宅を建てると、活用できる敷地面積に大きな差が生じます。
仮に50坪の敷地に30坪の平屋を建てると、20坪しか敷地が余らず、その中で駐車スペースやアプローチ、門柱などの外構計画を建てなければなりません。しかし、同じ50坪野敷地に延床面積が30坪の2階建てを建てるとなると、使用する面積は15坪程度になることから、35坪の敷地を活用できる計算になります。
そのため、ウッドデッキや設けたり、こどもが遊べるスペースを作ったりなど、さまざまな使い方ができるでしょう。
とはいえ、建物以外の敷地が広いと、外構工事にもそれなりの費用がかかるので、適度な広さの土地を選ぶことが大切です。むしろ、外構計画によっては、平屋のほうが外構工事にかかる費用を抑えられる可能性もあるでしょう。
平屋のデメリット② 坪単価が高くなる
平屋は、2階建てや3階建ての住宅と比べると、基礎や屋根の面積が広くなるので、建築費用が高くなる(高く見える)ことがあります。たとえば、同じ延床面積の建物で比較すると、2階建て住宅の約2倍の面積の基礎と屋根が必要になります。そのため、あくまでも面積あたりの単価としてですが、費用が高くなります。
ただし、延床面積に対して基礎の面積が広いことは、建物を支える面積が多いということであり、耐震性に優れているともいえます。そのほか、寄棟や片流れ屋根ではなく、切妻にすることで、使用する屋根材を抑えられるので、建築コストの調整が可能です。
平屋のデメリット③ 浸水リスクがある
平屋は1階建て住宅なので、大雨や河川の氾濫といった自然災害の影響を受けるリスクが高くなります。もちろん、2階建てや3階建てであっても、1階部分が浸水してしまう可能性はあります。しかし、平屋の場合は上階に逃げることができないため、避難経路の確保が難しいことがデメリットといえるでしょう。
とはいえ、平屋や複層階層の住宅にかかわらず、すべての建物が自然災害に遭う可能性があるので、建物の階数というよりは、ハザードマップを確認したうえで、河川の氾濫や土砂災害などの自然災害のリスクが低いエリアを選ぶのがいいでしょう。
※ 「兵庫県の自然災害ハザードマップ」「市区町村別の自然災害ハザードマップ」
出典:兵庫県内の平屋の施工事例
兵庫でおしゃれな平屋を新築する5つのポイント
せっかくの注文住宅なので、おしゃれな平屋を建てたい方がほとんどでしょう。ここでは、兵庫でおしゃれな平屋を建てるときに、注目したい5つのポイントを見ていきましょう。
屋根と軒の出を意識する
おしゃれな平屋を建てるときに注目したいのが屋根と軒の出です。建物の外観は、屋根の形状や軒の出によって、印象がガラッと変わります。そのため、おしゃれな雰囲気にしたい方や、ほかとは違うデザインにしたい方は、屋根と軒の出を意識するといいでしょう。
たとえば、陸屋根であれシンプルかつモダンなデザインとなり、片流れ屋根にすると立体感のあるファサードを演出できます。
そのほか、寄棟屋根の場合、落ち着いた雰囲気を演出できることに加え、軒の出を深くできるので、陰影のあるデザインに仕上がります。
大開口の窓で開放的な空間をつくる
平屋に大開口の窓を採用することで、広々とした空間を演出でき、開放的でおしゃれなリビングスペースを確保できます。また、大開口の窓を設けることで、採光がとりにくい平屋の弱点をカバーできるといったメリットもあるでしょう。
テラスやタイルデッキとのつながりを考える
平屋は1階建て住宅なので、外とのつながりを意識することで、よりおしゃれな空間を演出できます。昨今はリビングの窓からウッドデッキやタイルデッキへとつながるデザインが注目を集めており、コンパクトなリビングであっても、「抜け感」によって視覚的に開放感のある空間に仕上がるでしょう。
勾配天井で天井を高くする
上階がない平屋住宅では、屋根を活かした勾配天井を採用することができ、アクセントクロスなどと組み合わせることで、おしゃれな空間を演出できます。また、勾配天井にシーリングファンやダウンライト、間接照明を設置することで、雰囲気のある仕上がりになるでしょう。
ダウンフロアリビングで立体感をつくる
ワンフロアで完結する平屋住宅に、あえてダウンフロアを設けることで、立体感のある空間になります。昨今は、リビングスペースの高さを一段落とし、空間に凹凸をつけることで、単調になりやすい平屋の間取りに、立体感のあるおしゃれな印象をもたらしてくれるでしょう。
兵庫県の地域特性や気候情報
出典:兵庫県「兵庫県のすがた」
ここでは、兵庫で平屋を建てるときに予め知っておきたい地域特性や気候情報を紹介します。
兵庫県の人口は5,387,103人であり、世帯数は2,428,517世帯で、国内では7番目に人口規模の大きい街です。西側は鳥取県や岡山県、東側は大阪府や京都府と面しており、近畿地方と中国地方の中間地点に位置しています。
兵庫県の面積は8,401.02㎡であり、国内で12番目に大きな面積を誇り、県内は「神戸・阪神」「丹波」「淡路」「但馬」「播磨」の5つのエリアに分けられます。
本州のほとんど中央に位置している兵庫県は、北は日本海、南は瀬戸内海と、国内でも珍しく2つの面に面しており、エリアによって気候に大きな差があります。
北部は曇りや雪の日が多く、年間降水量の約31%が12~2月の冬期に降り、南西部は瀬戸内気候区に属していることから、雨が少なく、比較的温暖な環境であることが特徴です。
ただし、例えば神戸1991年から2020年の月別平均気温をみると、1月、2月の最低気温の平均は3度台であるので、十分寒いと言えます。そのため、冬でも暖かい構造の家づくりをしておくことをおすすめします。
出典:気象庁「過去の気象データ」
平屋を建てるにはどれくらいの費用がかかる?
兵庫で平屋を建てたいと考えているものの、実際どれくらいの費用で建てられるのかわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
延べ床面積によって価格は異なるものの、1,000~3,000万円台で建てられることが多いです。しかし、ひとえに平屋を建てるといっても、広さ、使用する建築材料、間取り、住宅設備などによって建築にかかる費用が大きく異なります。
こだわりたい部分にはお金をかけて、そうでもない部分では建築費を抑制するという工夫も可能です。どうすればコストを抑えつつも理想の住まいを手に入れられるか、平屋の建築実績が豊富な工務店に相談してみましょう。
兵庫県のおしゃれな平屋の5つの事例
ここでは、兵庫のおしゃれな平屋の実例を5つ紹介します。
兵庫県内の施工事例① 和風テイストの平屋
出典:兵庫県内の平屋の施工事例
本平屋には、ご夫婦とこども4人が住まわれております。
屋根を同じ方向で揃えるのではなく、あえて東西南北に流すことで、立体感のあるファサードを演出しています。さらに、長い廊下に対して自然光が入るように工夫されており、優しい光が室内を照らしてくれるでしょう。
出典:兵庫県内の平屋の施工事例
室内を見てみると、無垢材がふんだんに使われており、あたたかな雰囲気と優しい肌触りにより、快適な暮らしを送っていることが想像できます。こどものおもちゃや衣服を収納できるクローゼットをリビングに設置し、キッチンや家事スペースとの動線もしっかりとプランニングされていることから、ストレスなく効率的に家事をおこなえるでしょう。
兵庫県内の施工事例② 秘密基地がある平屋
出典:兵庫県内の平屋の施工事例
本平屋は、南側に大開口の窓とウッドデッキが設けられ、北川はランドリールームとファミリークロークが設置されています。LDKを中心に、ランドリールームやファミリークローク、パントリーやシューズクロークがレイアウトされており、回遊動線が確保されていることから、効率的に家事をおこなえるでしょう。
さらに、屋根裏を活用したロフトスペースは、まるで秘密基地のような空間に仕上がっています。こどもの遊びスペースとして使えるほか、趣味の読書を楽しんだり、リモートワークスペースとしても使用できたりします。
兵庫県内の施工事例③ 清潔感のある平屋
本平屋は白とナチュラル色の無垢材で統一された生活感のある平屋です。キッチンはデュオスタイルが採用されており、広々とした空間で料理を楽しめるでしょう。また、キッチンスペースは平屋の屋根を活かした勾配天井となっており、より開放的な空間に仕上がっています。
出典:兵庫県内の平屋の施工事例
床材は長手方向にレイアウトされているので、コンパクトなリビングスペースでも、視覚的に広々とした空間になります。
兵庫県内の施工事例④ ほぼ1階だけで生活できる平屋のような2階建て住宅
定年退職をきっかけにご夫婦ふたりで生活するための家づくり計画をはじめられました。
こちらの家は2階建て住宅ですが、2階は収納スぺ-スとして活用しており、1階スペースにLDK、寝室、クローゼットが設けられ、ほぼ1階だけで生活できるように工夫されています。
兵庫県内の施工事例⑤ 猫と暮らす2階建て住宅
こちらは、ご夫婦ふたりと猫1匹で暮らす2階建て住宅です。もともと2LDKのマンションに住んでいましたが、結婚をきっかけに猫と一緒に暮らせる家を建てられました。
ご夫婦の趣味がゴルフやスノーボードなので、ギアや道具などの荷物が多く、収納スペースにこだわり理想の家づくりをはじめられました。シューズクロークは、靴をたくさん収納できるのはもちろん、スノーボードやゴルフに使用する道具を収納できるように工夫されています。
まとめ
今回は「兵庫で平屋を建てたい!」をテーマに、平屋の特徴やメリットに加え、おしゃれな家を建てるポイントを解説しました。
後悔しない家づくりをおこなうためには、建物の特徴やメリット、デメリットをしっかりと理解しておく必要があります。
株式会社大工産では、入念なヒアリングのもと、これまでの豊富な経験を活かして最適なプランをご提案いたします。兵庫で平屋を検討している方は、お気軽にご相談ください。
株式会社大工産は、兵庫県加古川市に本社のある地域密着の工務店です。
良質な木材だけを用い、夏は「さっぱり」、冬は「しっとり」、年中快適に過ごす事の出来る住み良い家づくりを得意としております。
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