土地選びは家づくりの第一歩ですが、「どの土地が良いのか分からない」「選び方を間違えて後悔したくない」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。特に初めて土地を購入する場合は、何を基準に選べば良いのか迷ってしまうことも少なくありません。
この記事では、土地選びを進める際に押さえておきたい重要なポイントや、よくある失敗例、土地が決まらないときに役立つ裏ワザなどを徹底解説します。
これから土地探しを始める方や、候補が絞れずに悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。
土地選びを始める前の事前準備
ここでは、まず土地選びを始める前にしておきたい、3つの事前準備について解説します。
これから初めて土地選びを始める予定の方は、ぜひ参考になさってください。
予算を決める
土地選びでは、家づくり全体の予算をあらかじめ決めておくことが重要です。
家を建てるためには、土地購入費用だけでなく、建築費や外構費、諸経費などの費用がかかります。もし土地に予算をかけすぎると、建物やその他の部分にコストを割けなくなり、理想の住まいが実現しない可能性があります。
そのため、まず家づくり全体でかけられる総予算を決め、そこから土地の予算を決めましょう。一般的には、土地購入費は総予算の3~4割程度が目安となります。さらに、不測の事態に備えて予備費も確保しておくと安心です。
希望エリアを決める
土地探しを効率的に進めるには、希望するエリアを具体的に絞り込むことが重要です。
通勤や通学の便利さ、周辺の商業施設や病院の有無などを基準に、エリアを選定していきましょう。さらに、家族のライフステージや将来的な計画も考慮に入れることが重要です。
たとえば、未就学の子どもがいる家庭では、公園などの遊び場が近く、かつ就学する小中学校が近いエリアだと、生活しやすいマイホームが実現するでしょう。
土地選びの優先順位を決める
土地選びでは、全ての条件を満たす場所が見つかるとは限らないので、希望条件に優先順位を付けておきましょう。
たとえば、「駅徒歩10分以内」や「南向きの日当たり」などの譲れない条件と、妥協できる条件をリスト化しておくことをおすすめします。優先順位を明確にすることで、判断がスムーズになり、候補を効率よく絞り込めます。また、家族間で条件を共有し、意見をすり合わせておくことも重要です。
土地選びでよくある失敗談
土地選びは家づくりで重要なステップですが、慎重に進めないと思わぬ失敗に繋がることがあります。
ここでは、よくある4つの失敗談を紹介します。これから土地選びをする際は、くれぐれもご注意ください。
利便性が悪かった
購入した土地が、思ったより不便だったという失敗談は少なくありません。
たとえば、「静かな環境を求めて郊外の土地を選んだが、近くにスーパーや病院がなく、日常生活が不便だった」「車がないと買い物や通勤が困難だった」というケースがあります。
こうした失敗を防ぐためには、事前に周辺環境をよく確認することが大切です。徒歩圏内や自転車圏内に必要な施設があるかを調べ、実際に現地を訪れて、生活動線をシミュレーションしてみましょう。
交通の便が悪かった
土地の購入後、交通の便が悪かったことで後悔するケースもよくあります。
たとえば、「駅から徒歩15分と聞いていたが、実際に歩いてみると坂道が多く思ったよりも不便だった」「バス停が近いと思っていたが、本数が少なく通勤に支障が出た」など、交通面の課題が発覚することがあります。
土地選びの際は、物理的な距離だけでなく、実際のアクセスや交通手段の利便性を確かめることが重要です。また、朝夕の通勤・通学時間帯に現地を訪れて交通状況を確認しておくと、より後悔を防ぐことができます。
予算オーバーになった
土地選びで、家づくりの予算をオーバーしてしまう失敗も多いです。
「希望条件をすべて満たす土地を選んだが、建物の予算が削られて思い通りの家が建てられなかった」「土地の購入後に付帯工事費が予想以上にかかり、資金計画が崩れた」という声も少なくありません。
このような失敗を防ぐためには、土地購入費だけでなく、建築費や諸費用、予備費も含めた総予算を考慮し、その中で無理のない価格の土地を選ぶことが重要です。ハウスメーカーや不動産業者に相談し、具体的な費用感を把握しておくようにしましょう。
迷っていたら他の人に買われた
土地選びをじっくり進め過ぎた結果、他の人に先に買われてしまうという失敗談もあります。
特に人気エリアや好条件の場所は、短期間で売約済みになることが珍しくありません。「気になる土地があったが、決断を迷っている間に他の人が購入してしまった」という後悔は多く聞かれます。
このような事態に至るのを避けるには、希望条件に優先順位を付け、購入基準を明確にしておくことが重要です。判断に迷った場合は、プロの意見を聞くなどして、スピーディに決断できる準備を整えておきましょう。
土地選びで失敗しないための重要な9つのポイント
土地選びで失敗しないためには、購入を決める前に、色々な点をチェックしておくことが重要です。
ここでは、土地選びで失敗しないためのポイントを9つ厳選してご紹介します。これから土地選びを始める方は、ぜひ参考になさってください。
ポイント① 土地の周辺環境・利便性
土地選びでは、その周辺環境と利便性をしっかり確認するのがポイントになります。具体的には、以下の点をチェックすることが重要です。
まず、生活施設の有無や充実具合を確認します。スーパーや病院、学校、公園など、日常生活に必要な施設が近隣にあるかチェックしましょう。
続いて、交通の利便性を確認します。最寄りの駅やバス停までの距離だけでなく、朝夕の混雑状況や、電車やバスの運行本数も調べましょう。
また、地域の雰囲気や騒音の状況も重要なチェックポイントです。夜間の治安や、近隣に工場や繁華街がないかを現地で確認することをおすすめします。
ポイント② 土地の形状(整形地・不整形地)
土地選びでは、形状も重視すべきポイントです。
土地は大きく分けて、正方形や長方形の整形地と、三角形や台形などの不整形地に分けられます。
整形地は、建物の設計がしやすく、デッドスペースが少なくなるため、効率的に利用できます。一方の不整形地は、購入価格が安くなることが多い一方で、設計の自由度が下がる可能性があります。また、建築面積が限られる場合もあるため、ハウスメーカーや建築士に相談しながら判断することが重要です。
形状によって、理想の家づくりが制約されることがあるので、希望する家が建てられるかを事前に確認しましょう。
ポイント③ 土地周辺の高低差
土地選びでは、周辺の高低差に注意するのもポイントの1つです。
土地に高低差がある場合、家を建てるために平らな状態にしなければならず、擁壁や盛り土などの追加工事が必要になる可能性があります。これらの工事には数百万円単位の費用がかかることがあるため、事前に工事の必要性を確認しましょう。
また、追加工事が不要だとしても、坂道が多い場所や、車の出入りがしにくい場所では、日常生活に不便を感じることがあります。不安な場合は、何度か土地周辺を足で歩いてみて、実際の生活動線をイメージしてみると良いでしょう。
ポイント④ 隣地境界線
土地選びでは、隣地境界線が明確かどうかも確認すべきポイントになります。
境界線が明確でない場合、隣地との境界トラブルが発生する恐れがあります。土地を購入する際には、境界杭や測量図を確認し、正確な境界線を把握しておきましょう。
もし境界が曖昧な場合は、土地家屋調査士に再測量を依頼しましょう。そうすれば、新たに隣地境界線が引かれ、後々のトラブル発生を未然に防げます。
ポイント⑤ 災害リスク
土地選びでは、災害リスクを確認することが非常に重要なポイントです。
まず確認すべきは、自治体が公開しているハザードマップです。ハザードマップでは、洪水や土砂災害、液状化のリスクが高いエリアが色分けされており、土地がどのようなリスクを抱えているのかを視覚的に確認できます。また、ハザードマップだけでなく、周辺の地形や過去の災害記録も参考にすると良いでしょう。
特に急斜面や川の近くに位置する場所は、土砂崩れや浸水のリスクが高まる可能性があります。そのため、こうした土地を購入する際は、擁壁や排水設備などの安全対策が十分に整っているかを確認することが大切です。
ポイント⑥ 土地に接する道路
土地選びでは、その土地がどのような道路に接しているかも確認すべき重要なポイントです。
特に注意が必要なものとして、「接道義務」が挙げられます。接道義務とは、建物を建てる際に、その土地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接している必要があるとする法律です。接道条件を満たしていない土地は、建築許可が下りない可能性があります。
さらに、接している道路が公道か私道かも確認が必要です。公道であれば維持管理は自治体がおこないますが、私道の場合はその管理責任が個人や共有者にあります。私道の補修費用や権利関係の問題が発生することもあるため、購入前に詳細を確認しましょう。
ポイント⑦ 地盤の状況
土地選びでは、地盤の状況も見逃せないポイントになります。
地盤が弱い土地では、建物を建てる際に地盤改良工事が必要になり、その費用が数百万円に達するケースもあり得ます。特に埋め立て地や、かつて川や沼地だった場所は、地盤が軟弱である可能性が高いため注意が必要です。
地盤の強度は専門の調査機関によるボーリング調査で確認できるので、不安な場合は、購入を決める前に調査を依頼すると良いでしょう。
ポイント⑧ 用途地域
土地がどの用途地域に指定されているかも、選ぶ際の重要なポイントです。
用途地域とは、都市計画法に基づいて土地の利用目的を制限するもので、住居専用地域や商業地域、工業地域などが設定されています。
たとえば、住居専用地域は静かで落ち着いた環境が保たれやすい一方、店舗や事務所を設置するには制限が設けられていることがあります。一方で、商業地域は利便性が高い反面、騒音や交通量が多いといったデメリットがあります。
ポイント⑨ 建ぺい率・容積率
土地に建物を建てる際は、「建ぺい率」と「容積率」に注意するのも重要なポイントです。これらは建築基準法で定められており、土地の面積に対してどれだけ建物を建てられるかを示しています。
建ぺい率は土地面積に対する建築面積の割合を指し、容積率は土地面積に対する延床面積の割合を指します。たとえば、建ぺい率が50%、容積率が100%の場合、100平方メートルの土地に建てられる建物の最大面積は、1階部分が50平方メートル、2階建てなら上下階合わせて合計100平方メートルとなります。
これらの制限を無視して設計すると、建築許可が下りない可能性があります。そのため、土地選びの際は、希望する家がこれらの制限内で建てられるかを事前に確認しておくようにしましょう。
買わない方がいい土地の特徴
土地選びで失敗しないためには、避けるべき土地の特徴を把握しておくことも重要です。具体的には、以下の特徴を持つ土地は、なるべく買わないようにしましょう。
- 日当たりが悪い
- 交通量が多い道路沿い
- 道路との高低差がある
- 土砂災害警戒区域に指定されている
- 隣地との境界が不明確
- 価格が安すぎる
マイホームの土地が決まらないときの探し方の裏ワザ
土地選びが長引いてしまった場合や、理想の土地が見つからない場合、少し視点を変えるだけで新しい選択肢が見つかることがあります。
ここでは、土地選びで覚えておきたい裏ワザを4つご紹介します。
対象エリアを広げる
最初に設定したエリアを少し広げてみることで、選択肢が増える可能性があります。
たとえば、主要駅から少し離れた場所や、隣接する自治体を候補に加えてみるのも一つの手です。通勤や通学に多少の時間がかかるとしても、静かで広々とした土地が手に入ることもあります。
土地の希望条件を緩くする
最初に設定した希望条件が厳しすぎると、選べる土地が極端に減ることがあります。
たとえば、「駅徒歩10分以内」を「徒歩15分以内」に緩和するだけで、選択肢が大幅に増える可能性が出てきます。また、「南向きの日当たり」にこだわりすぎず、建物の配置や窓の設計で解決できる場合もあるため、条件を柔軟に考えることがポイントです。
建築条件付き土地を候補に入れる
建築条件付き土地とは、指定されたハウスメーカーや工務店で建築することを条件とした土地を意味します。
一見制約が多いように感じますが、建物を含めたトータルのコストパフォーマンスが良い場合もあります。また、土地探しと建築計画を同時に進められるため、効率的な家づくりが期待できます。
古家付き土地を候補に入れる
古家付きの土地は、新築用地よりも価格が抑えられている場合があります。
古家がある状態で購入し、解体して新たに建てることで、希望通りの家を建てられる可能性があります。ただし、解体費用が追加でかかる点や、古家の状態によっては費用が高額になる場合があるため、事前に詳細を問い合わせてから購入を検討しましょう。
まとめ
今回は、土地選びの基本となる事前準備から、よくある失敗談、失敗しないためのポイント、そして注意すべき土地の特徴や探し方の裏ワザまでを詳しく確認してきました。
土地選びは、家づくりの成功を左右する大切なプロセスです。今回ご紹介したポイントを参考にして、理想のマイホームに最適な、住み心地の良い土地を手に入れましょう。
大工産は、兵庫県加古川市に本社のある地域密着の工務店です。良質な木材だけを用い、夏は「さっぱり」、冬は「しっとり」、年中快適に過ごす事の出来る住み良い家づくりを得意としております。
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