土地選びは、家づくりを始めるうえでの大切な第一歩です。しかし、事前にしっかり確認しなかったり、計画が十分でなかったりすると、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔する方も少なくありません。土地選びでの失敗は、住み始めてからの暮らしに大きな影響を及ぼします。
この記事では、土地選びで後悔しがちな失敗事例をはじめ、住むのを避けたほうが良い土地の特徴や、後悔しないためのコツを詳しく解説します。これから土地を購入する予定の方や、失敗のない家づくりを目指す方は、ぜひ参考になさってください。
土地選びで後悔しがちな失敗事例
土地選びでは、事前の確認不足や思い込み、計画の甘さなどがもとになって、家を建てた後に後悔してしまうことがあります。
ここでは、土地選びで後悔しがちな7つの失敗事例を確認していきましょう。
周辺の利便性が良くなかった
土地選びで「周辺の利便性が良くなかった」という理由で後悔することが多々あります。
たとえば静かで落ち着いた環境を重視した結果、徒歩圏内にスーパーや病院がなく、車がないと日常の買い物が困難で後悔するケースがあります。また、駅までの距離が遠いため、通勤・通学が不便で後悔する場合もあります。
そうした失敗を防ぐために、実際にその土地を歩いてみて、そこでの暮らしをイメージしてみることが大切です。さらに、将来的に子どもが進学する場合を考慮し、学校や公共施設の位置もチェックしておくと良いでしょう。
日当たりが悪かった
土地を購入したものの、思ったより日当たりが悪かったことで後悔する可能性もあります。
たとえば、日当たりの良い条件としては「南向き」とされますが、隣接する建物や樹木が影になって、南向きでも日当たりが悪いケースがあります。日当たりが悪いと冬場に室内が寒くなったり、夏場にカビや湿気の原因になったりして、家づくりの後悔の原因になりかねません。
そのため、土地を購入する際は、データだけで確認せず、現地を訪問して実際の日当たりを確認しましょう。また、近々大きい建物が建つ予定がないか、周辺の建設計画も確認しておくと安心です。
近隣トラブルが発生した
静かで良い土地だと思って購入したものの、住み始めてから思わぬ近隣トラブルが発生して、後悔するケースもあります。
昼は静かでも夜間に騒音やペットの鳴き声があったり、近隣住民のゴミ出しマナーが悪かったりなどのトラブルが考えられます。
そのため、土地を選ぶ際は、事前に近隣住民や自治会の状況を調べ、可能であれば日中と夜間それぞれの状況を自分の目で確かめることをおすすめします。
土地の形状や条件が合わなかった
雰囲気や立地で土地を購入したものの、形状や条件が合わず、希望の家が建てられずに後悔するケースも考えられます。
家を建てる際は、建ぺい率や容積率、斜線制限など、さまざまな法的条件が課せられています。これは土地の大きさや形状、近隣の建物との距離などによって決まるため、建てたい家のイメージが決まっている場合は、購入前に確認しておくことが重要です。
また、三角形などの特殊な形をした不整形地は、四角形の整形地より地価が安い傾向にありますが、その分建築の自由度が制限されるため、予算と家づくりのバランスを考えて選ぶようにしましょう。
長く探しても条件に合う土地が見つからなかった
長く探しても、条件に合う土地が見つからずに後悔するケースもあります。
当然ながら、土地は有限なものなので、希望にぴったり合う土地が見つかるとは限りません。特に駅近など条件の良い土地は、同じように求めている人が多いため、販売開始から短期間で買われてしまうことが多々あります。
土地探しでは吟味することも大切ですが、良いと思える場所が見つかったら、すぐに決断する勇気も必要です。
また、購入の基準を明確にしておくことで、判断がスムーズになります。迷ったときは、ハウスメーカーや不動産業者に相談し、プロの意見を参考に決断しましょう。
家づくりの予算をオーバーしてしまった
土地購入に費用をかけ過ぎ、家づくりの予算をオーバーしてしまう後悔もあります。
家づくりは、土地を買って終わりではありません。そこから家の建設費はもちろん、付帯工事費や諸費用がかかってきます。
土地取得費に予算を使い過ぎた結果、他の費用が圧迫されると、結果的に理想のマイホームが実現しなくなってしまいます。
そのため、土地を探す際は家づくり全体にかかる総予算を立て、無理のない金額で土地取得費を算出しましょう。
住まない方がいい土地・悪い土地の特徴とは?
土地選びをする際、見た目や価格だけで判断すると、買ってから後悔してしまう可能性があります。
ここでは、住まない方がいい土地や避けるべき土地の特徴について解説します。これらの特徴を理解し、土地選びの際の参考にしてください。
日当たりが悪い土地
土地選びをする際、日当たりが悪い土地はなるべく避けるようにしましょう。
日当たりが悪い土地は、室内の快適性に大きな影響を及ぼします。日中でも暗くなりがちな室内では、照明を頻繁に使用する必要があり、電気代がかさむ可能性があります。また、湿気がこもりやすく、カビやダニの発生原因にもなります。
特に、周囲に高層建築物や、密集した住宅がある場合は、日差しが遮られる可能性があるため注意が必要です。
道路との高低差がある土地
道路との高低差が大きい土地は、住宅を建てる際に余計な工事費用が発生する可能性があるため要注意です。
たとえば、高低差を解消するために擁壁を設置したり、基礎工事を強化したりする必要がある場合、数百万円単位のお金がかかる可能性があります。
また、雨水が溜まりやすい低地や、排水が不十分な土地である場合は、浸水被害のリスクも高まります。反対に、土地が周囲よりも高い場合、駐車場の設置が難しかったり、階段の設置が必要になったりと、生活動線に影響を及ぼす可能性があります。こうした問題を避けるためにも、地形を確認し、どのような造成が必要か事前に把握しておきましょう。
交通量が多い土地
土地選びにおいて、交通量が多い土地にも注意が必要です。
主要道路や幹線道路に面していると、交通の利便性が高い一方で、騒音や排気ガスの問題を抱えることがあります。特に小さな子どもがいる家庭では、交通事故のリスクが高まるため注意が必要です。
また、深夜のトラックの通行や、朝夕のラッシュ時に発生する渋滞なども、生活環境に影響を及ぼします。
購入を検討している土地が交通量の多い道路に面している場合は、時間帯による騒音や交通状況を確認し、自分たちのライフスタイルに合っているかを慎重に判断しましょう。
土砂災害警戒区域の土地
土砂災害警戒区域に指定されている土地は、災害リスクが高いため、居住には不向きです。
急斜面の近くや、地盤が緩いエリアでは、大雨や地震などの影響で土砂崩れや地盤沈下が発生する可能性があります。
土地を購入する際は、自治体が提供しているハザードマップを確認し、対象エリアに色分けされているかを調べることが重要です。また、ハザードマップだけでなく、過去の災害記録や近隣住民の話を聞くことで、より正確な情報を得られます。
隣の土地との境界があいまいな土地
隣地との境界が明確でない土地は、購入後にトラブルに発展する可能性があります。境界線の位置をめぐって隣人との関係が悪化したり、法的な手続きが必要になったりするケースも少なくありません。
土地を購入する際には、境界杭や測量図を確認し、隣地との境界が明確かどうかを確認しましょう。また、可能であれば専門の土地家屋調査士に依頼し、境界の再確認をおこなうことをおすすめします。
相場価格より安すぎる土地
土地の価格が周辺の相場よりも極端に安い場合、何らかの理由がある可能性が高いです。
たとえば、「地盤が弱く建設に追加費用がかかる」「過去に事故や事件があった」など、見た目では分からないリスクが隠れている場合があります。
購入を検討している土地が相場より安い場合は、必ずその理由を不動産業者に確認しましょう。また、周辺の土地価格を調べ、相場と比較することで、不審な点を見つけやすくなります。
土地選びで後悔しないためのコツ
ここでは、土地選びで後悔しないためのコツを6種類ご紹介します。
これから初めて土地を購入予定の方、土地選びで失敗したくない方は、ぜひ参考になさってください。
希望条件に優先順位を付ける
土地選びでは、まず希望条件に優先順位を付けることが重要です。すべての条件を満たす土地を見つけるのは難しいため、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておくと、相性の良い土地を選びやすくなります。
たとえば、「駅から徒歩10分以内」「日当たりが良い」「静かな環境」など、条件をリストアップし、それぞれの優先順位を付けましょう。
ただし、希望条件が多すぎると、土地探しが長引いたり、決断できなくなったりする可能性があるため注意しましょう。
生活環境や交通の便をチェックする
土地を選ぶ際は、周辺の生活環境や交通の便を必ずチェックしましょう。具体的には、以下のポイントが重要です。
- 生活施設:スーパー、病院、学校などの日常生活に必要な施設が近くにあるか
- 交通手段:駅やバス停までの距離、通勤・通学に便利な交通機関が利用できるか
- 治安:昼間だけでなく、夜間の雰囲気も確認して安全性をチェック
生活環境や交通の便は、人によって良し悪しの感じ方が異なるため、実際に周辺を歩いてみて体感してみると良いでしょう。
土地の形状や条件をチェックする
土地の形状や条件を事前に確認しておくことも大切です。具体的には、以下の点に注目しましょう。
- 形状:整形地(四角形)と不整形地(三角形や台形など)の違い
- 法的条件:建ぺい率や容積率、高さ制限など、土地に適用される規制を確認
- 接道義務:道路に間口2メートル以上で接しているか
形状や法的条件によって、希望する家が建てられないケースもあるため、後悔しないよう、ハウスメーカーや不動産業者と相談しながら、適切な土地を選びましょう。
金額の安さを第一条件にしない
予算内で土地を探すことは大切ですが、金額の安さを第一条件にすると後悔する可能性があります。
前述のように、相場より極端に安い土地には、必ず理由があります。その結果、せっかく安く土地を手に入れても、快適なマイホームを建てるために、余計な出費が増えることも少なくありません。
そのため、金額の安さだけを重視せず、将来的に価値のある土地を選ぶようにしましょう。
条件を変えて現地を複数回訪問する
土地選びでは、条件を変えて現地を複数回訪問することが重要です。
一度訪問して良いと感じた場所でも、別の時間帯や天候の日に訪れると、違った印象を受けることがあります。
たとえば、昼間は静かでも、夜間に騒音が気になる場合があります。また、晴れの日には問題がなくても、雨の日には水捌けが悪くジメジメする場所も存在します。
このような土地を購入して後悔しないよう、時間帯や日程を変え、何度か現地を訪問して判断しましょう。
地域特性を理解しているハウスメーカーに相談する
土地選びで失敗しないためには、地域特性を理解しているハウスメーカーに相談するのがおすすめです。
地域特性を熟知したハウスメーカーに任せれば、地域の土地の相場感や地盤の強さ、周辺の住環境などを教えてもらえます。また、土地選びだけでなく、家づくり全体のアドバイスも受けられるため、効率的に理想のマイホームを実現できるでしょう。
まとめ
今回は、土地選びで後悔しがちな失敗例や、後悔しないためのコツなどについて、詳しく確認してきました。
土地選びは、理想のマイホームを実現するために欠かせない重要なステップです。しかし、希望条件を明確にしないまま進めてしまうと、購入後に後悔する可能性が高くなります。今回ご紹介したような失敗事例や悪い土地の特徴を参考に、注意深く選ぶことが大切です。
また、希望条件に優先順位を付けたり、現地を複数回訪問したりするなどの工夫をすることで、より満足度の高い土地を見つけられるでしょう。さらに、地域特性を熟知したハウスメーカーや専門家に相談すれば、プロの視点で的確なアドバイスをもらえます。
今回の内容を参考にして、後悔のない土地選びを進めてください。
大工産は、兵庫県加古川市に本社のある地域密着の工務店です。良質な木材だけを用い、夏は「さっぱり」、冬は「しっとり」、年中快適に過ごす事の出来る住み良い家づくりを得意としております。
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