自然素材の家は、化学物質を極力使わず、環境にはもちろん住む人にも優しいため、近年人気を集めています。しかし、自然素材の家には多くのメリットがあると同時に、注意すべきデメリットもあり、無計画に建てると後悔に繋がる可能性もあるので注意が必要です。
そこで今回の記事では、自然素材の家とは何かという概要から、メリット・デメリットや建てる際のポイント、工務店の選び方に至るまでを詳しく解説します。記事の後半では、実際に建てられた自然素材の家の施工事例もご紹介するので、これから自然素材の家を建てようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
自然素材の家とは?
自然素材の家とは、化学物質を極力使わず、自然由来の素材を主に使用している家のことです。近年一般的に使われる合板やビニールクロスといった建材には、少なからず化学物質が含まれています。化学物質を多く含む建材で建てられた家で長く暮らすと、花粉のように、あるとき身体の許容量を越えて、シックハウス症候群と総称されるアレルギー反応に繋がる可能性があります。
もちろん、現在では建築基準が厳しくなっているため、めったにシックハウス症候群に至ることはありません。しかし、それでも自然素材で暮らすことには多くのメリットがあるため、多少コスト高になったとしても、自然素材の家を選ぶ方が多くなっています。
家の建材として使われる自然素材の種類
家の建材として使われる自然素材の種類は、無垢材・漆喰・珪藻土の3つが代表例として挙げられます。まず無垢材とは、天然木から削り出されたままの木材です。無垢材には自然の調湿効果がありますが、集成材や合板に比べるとメンテナンスに手間がかかります。しかし、天然木本来の質感や温もりが味わえ、化学建材では得られない居心地の良い住まいに仕上がります。
また、石灰から作られる漆喰や、海底で採取される珪藻土は、主に壁材として使われます。これらも化学建材と比べると扱いに注意が必要ですが、正しくメンテナンスすれば長く使い続けられます。
自然素材の家を建てるメリット
自然素材の家を建てることには、多くのメリットがあります。ここでは、特に代表的な4つのメリットについて、詳細を確認していきましょう。
メリット① 夏涼しく冬暖かい
自然素材をふんだんに使用した家は、夏涼しく冬暖かい点が大きなメリットです。木の無垢材や珪藻土などの自然素材は、夏になると空気中の湿度を吸収し、空気をカラッと乾かしてくれます。
気温が高い夏でも、湿度が下がると体感温度はグッと下がり、最低限の空調で十分快適に過ごせます。また、冬は反対に空気中の熱を取り込んで蓄熱するので、外より室内が温かく感じられ、暖房にかかる光熱費を節約できるでしょう。
メリット② 耐火性がある
自然素材の家、特に壁材として漆喰や珪藻土を使用している家は、耐火性が高い点がメリットです。漆喰は主成分が炭酸カルシウムという無機物なので、炭化しにくい不燃材料として建築基準法で認められています。
また、珪藻土もシリカという不燃性の元素が主であることから、昔からレンガなどに使われ、火事の熱程度では燃えることがありません。もちろん、無垢材でできた床面などは火で燃える可能性がありますが、漆喰や珪藻土でガードすることで、一般的な家より燃えにくい環境を実現できるでしょう。
メリット③ 健康的な暮らしを送れる
自然素材の家には、健康的な暮らしを送れるというメリットもあります。自然素材の家では、アレルギーを引き起こす可能性のある化学建材の使用が最小限に抑えられています。そのため、過去にシックハウス症候群などを経験した人でも、安心して生活ができます。
特に、喘息やアトピーなどを持つ方の場合、化学建材の家では症状が悪化する可能性があるので、自然素材の家で暮らす恩恵が大きいといえるでしょう。
メリット④ 1年を通して裸足で生活できる
自然素材の家は、1年を通して裸足で生活できる点も嬉しいメリットです。自然素材の家の床には、たいてい天然木の無垢材が使われています。無垢材は夏には熱を放出し、冬には熱を中に蓄えるので、1年中一定した快適な温度に保ってくれます。
そのため、今までフローリング床の底冷えに悩まされていた場合は、自然素材の家に住み替えることで、足元から快適さを味わえるでしょう。
自然素材の家づくりで注意すべきデメリット
自然素材には多くのメリットがありますが、それと同時に一定数のデメリットもあるので注意が必要です。ここでは、特に気を付けたい代表的な3つのデメリットについて、詳細を確認していきましょう。
デメリット① 価格が高くなりやすい
自然素材の家は、化学建材を使用する家よりも価格が高くなりやすい点がデメリットとして挙げられます。自然素材は建材自体の価格が高いのはもちろん、扱いが難しいために熟練の職人が必要となり、人件費もコストアップします。そのため、少しでも安価に家を建てたいと考える場合は注意が必要でしょう。
しかし、それによって安心かつ住み心地の良い家が手に入ると考えるなら、相応のコストをかける価値があります。また、一度建てれば長く住み続けられるため、ランニングコストで考えれば、それほど割高ではないといえるでしょう。
デメリット② 傷や汚れが付きやすい
自然素材の家は、傷や汚れが付きやすい点に注意が必要です。たとえば漆喰や珪藻土は、水溶性の汚れが付くとそれが内部に染み込むので、拭き掃除などで落とすのは困難です。そのため、しつこい汚れが付着した場合は、削って上塗りするなどの対応が必要となります。
また、無垢材の床も合板フローリングに比べると繊細な素材なので、化学薬品などで掃除をすると染みや変色が生じる可能性があり、扱いに注意が求められます。
デメリット③ 定期的なメンテナンスが必要
自然素材の家は、建てた後も定期的なメンテナンスが必要である点にも注意しましょう。特に天然木の無垢材は、四季の気温や湿度の変化に合わせて、日々その形を変化させる素材です。そのため、長く住み続けると木材のひび割れや反りなどが生じる可能性があります。
また、漆喰や珪藻土の壁面も、長く使い続けるとひび割れが起こることがあるので、定期的に塗り直しなどのメンテナンスが必要です。
自然素材の家で後悔しないためのポイント
自然素材の家で後悔しないためには、メリットとデメリットを正しく理解し、ポイントを押さえて建設することが大切です。ここでは、自然素材の家で後悔しないために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。これから自然素材の家を建てようか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ポイント① 経年劣化を経年変化として楽しむ
自然素材の家で後悔しないための最大のポイントは、建材の傷や汚れを劣化ではなく変化としてポジティブに楽しむことです。無垢材や漆喰、珪藻土といった自然素材は、長く使い続けると表情が徐々に変わっていきます。
しかし、本革製のカバンや靴のように、適切なメンテナンスをしていれば、それはポジティブな変化に感じられるはずです。そのため、自然素材の家を建てる際は、汚れや傷に対して神経質にならず、日々変わっていく家の様子を楽しむ姿勢が大切だといえるでしょう。
ポイント② 好みや用途に合わせて素材を厳選する
自然素材の家を建てる際は、好みや用途と照らし合わせて、使う素材を厳選することがポイントになります。たとえば木材は、スギやヒノキなどの種類によって、手触りや香り、耐水性などの特徴が変わってきます。
そのため、リビングの建材には好みの香りのものを使う、水回り周辺では耐水性が高いものを使うなど、1つひとつ吟味して選ぶことが大切です。もちろん、素人がすべて自力で選ぶのは大変なので、知識豊富な担当者にアドバイスをもらい、業者と二人三脚で理想の家を作り上げていきましょう。
ポイント③ 信頼できる工務店に依頼する
自然素材の家は、信頼できる工務店に依頼すると、後悔する可能性を最小化できます。先述の通り、自然素材の家は建てて終わりではなく、定期的にメンテナンスを施すことで、住み良い空間に育っていきます。
しかし、大手ハウスメーカーや設計事務所などに依頼すると、メンテナンスに対応していなかったり、数年で保証が切れたりする可能性があるため、注意が必要です。その点、地域密着で経営している工務店であれば、長い目で付き合ってくれるので、定期的なメンテナンスに対する不安を払拭できるでしょう。
自然素材の家を依頼する工務店の選び方
長く暮らせる自然素材の家を建てるには、腕が良く手厚いフォローを受けられる工務店を選ぶことが重要です。しかし、ひとくくりに工務店といっても品質がピンキリなので、しっかり基準を設けてじっくり選ぶ必要があります。
ここでは、自然素材の家を依頼する工務店の選び方の基準を3種類ご紹介します。
これから工務店選びをする方は、ぜひ参考にしてください。
選び方① 住宅を建てる場所に近い
自然素材を建てる工務店を選ぶ際は、住宅を建てる場所に近い業者の方が望ましいです。工務店が住宅の建設予定地から近ければ、建設中に変更などのイレギュラーが発生した際も、柔軟に対応してもらえます。また、完成後も距離が近ければ、メンテナンスなどの相談に乗ってもらいやすいでしょう。
また、良質な自然素材の家を建てるには、その土地の気候に合わせて建材を組み合わせる必要があります。近い地域にある工務店であれば、その辺りの判断にも信頼が置けるでしょう。
選び方② 企業の安定性
自然素材の家を建てる際は、依頼する工務店が企業として安定しているか必ず確認しましょう。自然素材の家は、一般的な家よりも工期が長くなりやすく、完成までに1年以上かかることも少なくありません。
万一その間に依頼した工務店が倒産した場合は、引き継ぐ業者が見つかるまで建築途中で工事が保留となります。また、必ずしも引き継ぎ業者が見つかるとは限らず、最悪の場合は工事がキャンセルになる恐れもあります。
そのような事態に陥らないためには、年間の施工数をチェックしたり、口コミ評価を見たりして、安定して経営されている工務店なのかを確認すると良いでしょう。
選び方③ 自社施工
自然素材の家を建てる際は、なるべく自社施工の工務店を選びましょう。自社施工とは、工務店自らが雇った職人によって工事を行うことです。
自社施工で自然素材の家を建てている工務店の場合、職人が十分な技術や知識を持っているので、高い品質での工事を期待できます。腕の良い職人によって建てられた自然素材の家は、長年住んでも歪みや劣化が生じにくく、結果的にメンテナンスの頻度も抑えられます。
自社施工であることは工務店にとってもアピールポイントなので、たいていホームページに記載されています。もし記載が見つからない場合は、住宅展示場などで質問するか、電話で問い合わせて確認すると良いでしょう。
おしゃれな自然素材の家の施工事例
最後に、兵庫県加古川市を拠点に、これまで多くの家を建ててきた「大工産」の手掛けた、おしゃれな自然素材の家の施工事例を3つご紹介します。
おしゃれな自然素材の家①
こちらは、兵庫県加古川市に建てられた自然素材の家です。プライベートな中庭をL字型に囲んだLDKが特徴的で、広がりのある空間に爽やかなカラーのアクセントウォールが映えています。
中庭には高めのフェンスが設けられていて、外部からの視線を気にすることなく、バーベキューやプールなどのアクティビティが楽しめます。
おしゃれな自然素材の家②
こちらは、兵庫県小野市に建てられた自然素材の家です。家族が外出時などに顔を合わせられるよう、リビング内に階段を設置しています。2階ホールはゆったりと広く、アールを描く手摺りがアクセントになっています。
玄関には、ゲスト用の玄関とは別に、シューズインクロークを兼ねた家族用の玄関が設けられています。引き戸を閉じると収納棚が隠れ、すっきりした印象になります。
おしゃれな自然素材の家③
こちらは、兵庫県姫路市に建てられた自然素材の家です。無垢材で作られた床と壁、そして造作キッチンカウンターが、LDK全体をナチュラルで調和した印象に仕上げています。天井はダイナミックな吹き抜けになっていて、2階ホールと一体の開放的な空間になっています。
外観は、カルクウォールの白い塗り壁が青空に映え、明るい雰囲気に仕上がっています。
まとめ
今回は、自然素材の家をテーマに、メリット・デメリットや後悔しないためのポイント、信頼できる工務店の選び方などについて、詳しく確認してきました。自然素材の家は、環境に良いのはもちろん、そこで暮らす人の健康や暮らしにも良い影響を与えます。今回ご紹介したことを参考に、理想の自然素材の家を建て、快適な暮らしを実現させましょう。
私たち大工産では、丁寧なヒアリングと確かな技術力をもとに、お客様のご要望・ご予算に合った最適な注文住宅をご提供します。今回ご紹介したように、自然素材を豊富に使った家を多数手がけているので、自然素材の家を建てようか悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社大工産は、兵庫県加古川市に本社のある地域密着の工務店です。
良質な木材だけを用い、夏は「さっぱり」、冬は「しっとり」、年中快適に過ごす事の出来る住み良い家づくりを得意としております。
兵庫県加古川市、高砂市、稲美町、播磨町、姫路市、その他近隣市区町村で注文住宅をご検討中の方はぜひ一度御覧ください。
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