新築住宅の計画を進める中で、「スロップシンクをつけたら便利そうだけど、本当に必要かな?」と迷うことはありませんか。
システムキッチンや浴室、洗面台などさまざまな住宅設備を検討する中で、スロップシンクをつけて後悔しないか悩んでしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、スロップシンクのメリットと知っておきたい注意点を分かりやすく解説します。注文住宅の建築を予定している方は、ぜひご覧ください。
スロップシンクとは?
スロップシンクは、キッチンや洗面台とは別に取り付ける深型の流し台のことです。名前の由来となる「slop」とは、英語で汚水や台所の残り水という意味があります。
スロップシンクを取り付ければ、汚れた衣類の予洗いや、家庭菜園やアウトドア用品の掃除が楽にできます。使い方次第で多目的に使えるのが、スロップシンクの魅力です。
新築でスロップシンクをつけるメリット
新築でスロップシンクをつけるメリットには、以下の4つがあります。
- スポーツ用品の汚れを洗い落とせる
- つけ置き洗いが楽にできる
- 屋外で汚れ物を洗うのに便利
- ペットのシャンプーや足洗いに活用できる
それぞれ、詳しく解説します。
スポーツ用品の汚れを洗い落とせる
スロップシンクは、スポーツ用品の汚れを洗い落とすときに便利に使えます。泥や砂が付きやすいサッカーのスパイクや汚れたユニフォームを洗う場合、洗面台では水はねで周囲が汚れたり、排水が詰まることも少なくありません。
スロップシンクなら深さがあるため、水をたっぷり使って洗い流せます。また、排水管が太めに出来ているスロップシンクであれば、詰まりが起こりにくいでしょう。
洗面台とは別に、汚れがひどいアイテムを分けて洗える専用スペースがあることで、家事の負担を軽減できる点も魅力です。
つけ置き洗いが楽にできる
スロップシンクは、つけ置き洗いをするときにも便利です。汚れが目立つ衣類や靴、アウトドア用品などをつけ置きするときに、深さがあるスロップシンクならバケツごとシンクの中に置いておくことができます。
キッチンのシンクや洗面台ではスペースが制限され、他の作業ができなくなってしまうことも少なくありません。そこで、スロップシンクがあれば専用のつけ置きスペースとして利用できるため、時間を気にせず使えます。
また、大きめのスロップシンクなら、換気扇のファンやモップなどもつけ置きすることが可能です。大掃除のときにも、スロップシンクは活躍するでしょう。
屋外で汚れ物を洗うのに便利
スロップシンクは、屋外でさまざまな作業に活用できます。たとえば、家庭菜園では収穫した泥付き野菜をその場で洗えるため、室内に泥を持ち込まずに済みます。
ガーデニングでは、スコップやジョウロなどの道具を洗うのにも使えて、作業後の片付けもスムーズに行えるでしょう。また、洗車のときにも、スロップシンクは役に立ちます。
駐車スペースの近くにを設置すれば、雑巾を洗ったり泥がついたマットを洗ったりするのにも便利に使えます。バーベキューの網やクーラーボックスなどもスロップシンクで洗えるため、キャンプやアウトドアの片付けも楽になるでしょう。
ペットのシャンプーや足洗いに活用できる
スロップシンクは、ペットのシャンプーや足洗いをするときにも便利です。散歩から帰ってきたときに、泥や砂が付いた足を洗う専用の洗い場にはぴったりです。
深さと広さがあるスロップシンクなら、小型犬や猫のシャンプーもシンク内でできるため、浴室を使う必要がありません。ペット専用のスペースができることで衛生面でも安心でき、快適なペットライフに役立ちます。
新築でスロップシンクをつけるデメリット
スロップシンクを取り付ける前に、デメリットも理解しておきたいものです。ここでは、スロップシンクをつけるデメリットを、以下の2つ解説していきます。
- 設置場所が必要になる
- デザインが限られる
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
設置場所が必要になる
スロップシンクを設置するにはスペースが必要になるため、間取りやレイアウトを工夫する必要があります。面積が限られている場合、他の用途のスペースが狭くなってしまうこともあるでしょう。
たとえば、洗面脱衣室にスロップシンクの設置場所を確保すると、収納棚が作れないといったケースも珍しくありません。
屋外に設置する場合でも、庭や玄関横にスペースが必要になることは理解しておかなければなりません。スロップシンクを設置するときには、間取りの設計段階で必要な広さや動線を検討しておきましょう。
デザインが限られる
住宅用のスロップシンクは種類が多くないため、デザインの選択肢が限られることがあります。シンプルで実用的な形のものが多く、洗練された内装デザインに合わせるのが難しい場合があります。
また、デザイン性を高めようとするとコストが高くなることもあるため、コストとデザインのバランスを取る必要があるでしょう。
スロップシンクをつけるときの注意点
スロップシンクをつけるときには、以下3つの注意点を押さえましょう。
- 目的を決める
- 床や壁の素材を考えておく
- お湯が必要かを検討しておく
それぞれの注意点を、詳しく解説していきます。
目的を決める
スロップシンクを設置するときには、まず目的を明確にすることが大切です。何をメインで洗うのかが決まれば、設置場所やサイズ、機能を選ぶことができます。たとえば、泥付きの靴や衣類を洗いたい場合、洗濯機の横や脱衣所に設置するのがおすすめです。
一方で、ペットの足洗いやシャンプーを想定するなら、玄関や土間の付近に設置するほうが良いでしょう。また、家庭菜園で収穫した野菜を洗うなら、庭やガレージなど、屋外に取り付けた方がいいかもしれません。
目的が曖昧なまま設置してしまうと、かえって使い勝手が悪くなる恐れがあるため、家族のライフスタイルをよく考えた上で設置位置を決めましょう。
床や壁の素材を考えておく
スロップシンクを設置するときには、周囲の床や壁の素材もあわせて選ぶことが重要です。スロップシンクの近くでは、水はねや汚れが付くこともあるため、素材選びを間違えると清掃が大変になったり、早めに素材が劣化してしまいかねません。
床には、タイルやクッションフロアなど防水性や耐水性に優れた素材を選ぶのがおすすめです。壁も同様で、汚れが簡単に拭き取れるパネルや防水クロスにしておくと、楽に掃除できます。防カビ対策も考慮し、隙間が少なく掃除しやすい設計にしておくことも重要です。
お湯が必要かを検討しておく
スロップシンクを設置するときには、お湯を使う必要があるかを新築の計画段階で検討しておくことが大切です。お湯を使う場合には給湯設備や配管工事が必要になるため、後から追加すると工事費がかかります。
たとえば、家庭菜園専用でお湯が必要ないのであれば、給水のみにしておくことで設置費用や給湯にかかる光熱費を抑えられます。
一方で、ペットのシャンプーや油汚れの洗浄など、冷水では対応できない用途がある場合は、あらかじめ給湯を設置しておきましょう。新築の設計段階で使い方を決めて、給湯の必要性を検討することが大切です。
スロップシンクのある間取りは専門家に相談しよう
スロップシンクは、掃除道具や泥付きの野菜、アウトドア用品などを簡単に洗える便利な設備です。新築住宅に取り付けるには、使用目的や設置スペース、給湯設備の有無など、設計段階で検討しておきましょう。家族のライフスタイルや利用目的を考えた上で、設置場所や仕様を選ぶことが大切です。
スロップシンクをどう使うか、どこに設置するかなど間取りに関することで悩んだら、建築会社に相談してみましょう。
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