注文住宅を建てるにあたって、「ZEH」というワードを耳にしたことはないでしょうか?
ZEH住宅とは、地球環境に配慮しつつ、快適な生活も実現できる高性能な住宅です。
実際にZEH住宅の検討はしているものの、その条件や種類、具体的なメリット・デメリットなどが分からず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ZEH住宅とは何かをテーマに、その種類やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
これからZEH住宅を建てようか検討している方は、ぜひ参考になさってください。
ZEH住宅とは?
ZEH住宅とは、1年間で使うエネルギー消費をゼロ以下に抑える家です。ちなみに、ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(net Zero Energy House)」の略称を意味しています。
もちろん、人が生活する限り、エネルギー消費を完全なゼロにはできません。そのため、ZEH住宅では、住宅の断熱性能を高めるなどして消費量を減らし、太陽光エネルギーなどの創出によって、消費した分を補います。
その結果、実際にはエネルギーを消費しているものの、それを相殺するだけのエネルギーを創り出し、エネルギー収支をゼロ以下にすることが目指されます。
ZEH住宅は、世界的な脱炭素化の方針を受け、各国で導入が積極的に進められています。事実、ここ日本でも2014年以降は政府主導で導入促進が図られ、2030年以降は新築住宅において、ZEH住宅であることの義務化が予定されています。
そのため、これから新築住宅を建てるうえでは、ZEH住宅の基準を満たすことが重要だといえます。
ZEH住宅に認定されるための3つの条件
ZEH住宅に認定されるためには、「断熱性能」「省エネ」「創エネ」という3つの条件を満たしていなければなりません。
それぞれの条件の詳細について、順に確認していきましょう。
条件①:断熱性能
ZEH住宅に認定されるには、まず十分な断熱性能を備えている必要があります。
天井や壁、床に断熱材を使用することで、外気からの影響を受けにくくなり、最小限の冷暖房で1年中快適に過ごせるようになります。
断熱性能を計る際は、UA値(外皮平均熱貫流率)が使われ、値が低いほど断熱性能が高いことを示します。ZEH住宅においては、地域ごとに異なるUA値が定められており、それを満たした家づくりが必要です。
条件②:省エネ
ZEH住宅に認定されるには、省エネ性能の高い設備を導入することが求められます。具体的には、ZEH住宅では、一次エネルギー消費量が現行省エネ基準の20%以上削減されている必要があります。
一次エネルギーとは、石油や天然ガスなどの自然由来のエネルギーのことで、簡単に言えば家庭で使う電気やガスなどのことです。また、省エネ基準とは、脱炭素化社会の実現に向け、国によって定められた基準を指します。
省エネ基準は度々更新され、現在は平成28年のものが採用されています。つまり、「一次エネルギー消費量が現行省エネ基準の20%以上削減されている」とは、国によって定められた基準を超える厳しさということになります。
特に一次エネルギー消費量の大きい、空調や給湯、照明などを担う機器については、高い省エネ性能が備わったものを設置しなければなりません。
条件③:創エネ
ZEH住宅に認定されるには、エネルギーを自ら創り出すこと(創エネ)も条件になっています。
創エネで最も一般的なのは、太陽光発電です。太陽光によって発電した電力によって、使用したエネルギーを相殺することで、年間のエネルギー収支0以下を目指すことが求められます。
なお、都市部や雪の多い地域などで創エネが難しい状況下である場合は、創エネ設備なしでもZEH住宅(ZEH Oriented)として認定されます。
ZEH住宅の種類
ZEH住宅には、一次エネルギー消費量の削減割合に応じて、以下5つの種類が用意されています。
- ZEH
- ZEH+
- 次世代ZEH+
- Nearly ZEH
- ZEH Oriented
それぞれのZEH住宅の特徴や基準について、概要を確認していきましょう。
ZEH
「ZEH」は、太陽光発電などの再生可能エネルギーによって、年間のエネルギー収支をゼロにするZEH住宅です。
断熱と省エネで20%以上のエネルギー削減、創エネを含む100%以上の削減が基準になります。
ZEH+
「ZEH+」は、上述のZEHよりも更に高い省エネ性能を備えているZEH住宅です。
太陽光発電などの創エネに加え、外皮性能強化やHEMSの設置、電気自動車充電設備の設置などの条件が定められています。
認定基準もZEHより厳しくなり、断熱と省エネで25%以上のエネルギー削減、創エネを含む100%以上の削減が必要です。
次世代ZEH+
「次世代ZEH+」は、ZEH+を更に強化した、次世代に対応する高性能のZEH住宅です。
エネルギー削減率の基準はZEH+と同様ですが、蓄電システムや燃料電池などの「蓄エネ」設備の設置や、太陽熱利用温水システムなどの設置が求められます。
Nearly ZEH
「Nearly ZEH」は、太陽光が十分に届かなかったり気温が低かったりして、十分な創エネができない地域を対象とするZEH住宅です。
断熱と省エネで20%以上のエネルギー削減、創エネを含む75%以上100%未満の削減と、ZEHに比べて基準が緩和されています。
ZEH Oriented
「ZEH Oriented」は、天候の問題などで十分な創エネができない住宅で認められるZEH基準です。具体的には、都市部狭小地や多雪地域の住宅が対象となります。
ZEH Oriented では、創エネの有無が基準として設けられておらず、断熱と省エネでの20%以上のエネルギー削減のみが求められます。
ZEH住宅のメリット
ZEH住宅を建てることには、多くのメリットがあります。
ここでは、特に重要な4つのメリットについて、詳細を確認していきましょう。
メリット①:夏は涼しく冬は暖かい
ZEH住宅の1つ目のメリットは、夏は涼しく冬は暖かい点です。
ZEH住宅では、高い断熱性が確保されているため、外気温の影響を最小限に抑えられます。その結果、暑い夏や寒い冬においても、最小限の空調のみで室温を快適に保つことが可能です。
また、部屋ごとの温度差が小さくなるため、急激な温度変化によって起こるヒートショックを予防できます。ヒートショックは最悪の場合、心筋梗塞や脳卒中に繋がる恐れがあるため、ZEH住宅にすることで家族全員の健康を守れるでしょう。
メリット②:ランニングコストが安くなる
ZEH住宅の2つ目のメリットは、ランニングコストが安くなる点です。
従来の一般的な住宅では、空調によって室温を整えても、それが壁や床などを通って外に逃げてしまうため、空調をフル稼働させる必要がありました。一方、ZEH住宅は前述の通り断熱性が高いことにより、光熱費が最小限に抑えられ、ランニングコストが安くなります。
また、ZEH住宅では家の内部結露なども生じにくいため建材が劣化しにくく、メンテナンスに伴うランニングコストも軽減できるでしょう。
メリット③:非常用電力を確保できる
ZEH住宅の3つ目のメリットは、非常用電力を確保できる点です。
ZEH住宅に設置した太陽光発電システムで創出した電力は、蓄電池に蓄電しておくことで、停電などの非常時に使用できます。
また、非常事態が発生しなかった場合も、創出した電力は、電力会社に売電ができ、無駄になる心配はありません。
メリット④:補助金を使える可能性がある
ZEH住宅の4つ目のメリットは、家を建てる際に補助金を使える可能性がある点です。
ZEH住宅は、地球環境に優しく、将来的な脱酸素化社会に貢献する住宅と考えられています。そのため、政府主導でZEH住宅を増やすことを支援し、国や自治体において様々な補助金が設けられています。
補助金を使えば、ZEH住宅を建てる際の初期費用の一部を補助してもらえ、実質的な負担額を減らすことが可能です。
ただし、ZEH住宅で使える補助金の詳細は、年度やお住まいの地域によって変わります。そのため、補助金の利用を検討する際は、事前に国や自治体のホームページなどで詳細をチェックしましょう。
ZEH住宅のデメリット
ZEH住宅には、メリットだけでなくデメリットもあるため注意が必要です。
メリットを最大化させ、デメリットを最小化させるには、デメリットの詳細を事前に知っておくことが大切です。
ここでは、特に注意しておきたい4つのデメリットについて、詳細を確認していきましょう。
デメリット①:建築にかかる費用が高い
ZEH住宅は、建築にかかる費用が高い点がデメリットになります。
ZEH住宅として認められるためには、高い断熱性能を満たし、太陽光発電などの創エネ設備を導入する必要があります。そのため、一般的な住宅よりは建築にかかる初期費用が高くなります。
ただし、これは短期的に見るとデメリットですが、長期的にはデメリットではなくなります。なぜなら、ZEH住宅はランニングコストが安いため、長く住めば住むほどお得になるからです。
そのため、建築にかかる費用が安いからと断念せず、長期的な視野での費用的メリット・デメリットを見比べて検討すると良いでしょう。
デメリット②:外観や間取りに制限がある
ZEH住宅は、外観や間取りに制限がある点がデメリットと感じることもあります。
ZEH住宅では、屋根の上に太陽光発電システムを設置するため、屋根の形状や方位が自由に決められません。また、一次エネルギー使用量を削減するにあたって、間取りの自由度がある程度制限されます。
ただ、依頼するハウスメーカーを入念に選定すれば、これらのデメリットは最小化が可能です。ZEH住宅を得意とするハウスメーカーであれば、太陽光発電システムを設置しつつ、施主の希望に沿った屋根のデザインを実現してくれるでしょう。
また、高性能の断熱材や窓サッシを導入すれば、吹き抜けなどの開放的な間取りを実現することも不可能ではありません。
デメリット③:設備の定期的なメンテナンスが必要
ZEH住宅のデメリットとして、設備の定期的なメンテナンスが必要な点にも注意しておきましょう。
ほとんどのZEH住宅で必須となる太陽光発電システムは、日々のメンテナンスに加え、専門業者による定期点検が必要になります。その際、手間に加えてメンテナンス費用がかかる点は覚えておきましょう。
また、定期的にメンテナンスをしていても、強風などで飛来物が当たり、太陽光発電システムが故障することがあります。そのような場合、放置すると住宅性能が下がり、ZEH住宅のメリットが得られなくなるため、早めの修理が必要になります。
ただ、ハウスメーカーによっては、無料の定期メンテナンスをしてくれるなど、手厚いアフターフォローサービスを設けているところがあります。そのような業者に施工を依頼すれば、メンテナンスに伴うデメリットを軽減できるでしょう。
デメリット④:発電量が天候に左右される
ZEH住宅には、太陽光発電システムの発電量が、天候に左右されるデメリットもあります。
たとえば、1年を通して日射量が多い地域に建てる場合は、安定した発電量を期待でき、デメリットは少ないといいえます。一方で、降水や降雪などで日射量が少なくなりがちな地域だと、発電量が十分に確保できないこともあり得ます。
その結果、場合によっては電力会社から買電しなければならず、デメリットを強く感じる可能性が生じます。
なお、ZEH住宅の発電量は天候だけでなく、近辺との建物の相性によっても変わります。たとえば、すぐ隣に自宅より大きいビルなどがあれば、日差しが遮られて発電量が少なくなってしまうでしょう。
そのため、ZEH住宅を建てる際は、どれくらいの発電量が見込めるか、気候をもとに試算しておくと良いでしょう。また、将来的に近隣に高いビルが建つ可能性がないか、都市計画なども確認しておくことをおすすめします。
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兵庫県でZEH住宅を建てる場合は、私たち「大工産」にぜひお任せください。
大工産は、ZEH及びNearly ZEHの普及を、2025年度までに75%達成することを目標として、兵庫県内で多数のZEH住宅を手掛けています。
大工産の建てるZEH住宅は、高断熱であることに加え、無垢材をふんだんに使用している点も特徴的です。人やペットが快適に過ごすことを重視して、1年を通して足元が22℃に保たれる快適な家づくりを徹底しています。
また、家を建てて終わりではなく、1か月・6か月・1年・2年・5年・10年の単位で訪問点検を実施しているため、長く安心して暮らせるZEH住宅が実現します。
兵庫県加古川市内に2つの住宅展示場をご用意しておりますので、兵庫県内で新築住宅を検討中の方は、ぜひお気軽にご訪問ください。
>>大工産の建てるZEH住宅について詳しくはこちら
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まとめ
今回は、ZEH住宅とは何かをテーマに、ZEH住宅の種類やメリット・デメリットを詳しく確認してきました。
ZEH住宅とは、暮らしの中でのエネルギー収支を0以下にする、地球環境に優しい住宅です。2030年以降はZEH住宅が義務化される流れにあるため、これから新築住宅を建てる際は、ZEH基準を満たすことを1つの指標とすると良いでしょう。
今回ご紹介したことを参考にして、高性能なZEH住宅を建て、快適で健康な毎日を過ごしましょう。
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