たくさんの木材に囲まれた暮らしが意味するもの
木のお家にいると、心地良い香りに包まれ、良く眠れ、落ち着きます。
大工産の家は通常の家の約2倍以上もの木材が使われています。
動物や小鳥の巣の様に、室内が木材で覆われ、(相対的)湿度が40%〜60%で安定します。人間の体は湿度に対して敏感に反応する訳ではないですが、実は体感温度や健康に大きく関係しているのです。
適切な湿度に保たれていないと、皮膚を通しての新陳代謝がうまくいかず、内臓疾患を引き起こしやすくなります。
例えば空気が乾くと鼻や喉粘膜の炎症を引き起こし、じめじめした時はダニやカビが大量に発生し、アトピー性皮膚炎や喘息などを患いやすくなります。湿度が「高すぎず」「低すぎず」ちょうど良い40%〜60%が快適な生活を可能にします。
また、木のお家の中にいると、木材の心地良い香りに包まれ、疲れにくく、良く眠れ、落ちつきます。
木は目にやさしいと言われますが、人に合わない波長の光線を吸収し、気持ちよい反射率を確保してくれます。
赤ちゃんがいちばん喜ぶのが、無垢の木の床というのもよくわかります。素肌に触れる木の触感は自然そのものです。
木は天然のエアコン
木は天然のエアコンです。
暖冷房の無い昔は、夏は暑いし、冬は寒い。そこで、大きな力を発揮したのが木材です。
木材には、平衡含水率(地域ごとに乾燥木材が含むことが出来る水分量)という、大気の水分が多湿状態になれば吸湿し、逆に乾燥状態になれば放出するという調湿作用が働きます。四季の温度や湿度変化の激しい日本では、木材で住宅を造ることで、室内の湿度状態を安定させるので、 日本の気候風土にあった建築は、木造建築であると考えられます。
また、コンクリートの1/15、鉄の1/483も熱を伝えにくいため、結露を起こしにくく、住宅に適した材料といえます。
そして耐火性も強く、火にさらされても表面が炭化し、燃え進む速度は1分間に数ミリとされています。アルミニウムや鉄は3〜5分で強度が無くなりますが、木材は15分経っても60%の強度を保つことが出来ます。
従って、鉄骨づくりなどよりもずっと長時間維持でき安全性が高いと評価されています。
木を活かす
木は、住宅の材料とするため、一定の期間で伐採されます。
製材と乾燥を経て、それぞれの用材に加工され、私達を守ってくれる家になります。
CO2(二酸化炭素)を吸収する木を伐採する行為について、熱帯雨林地方などの自然林を伐採する行為は自然破壊行為になりますが、植林によって育てられている木材には、計画的な伐採が必要不可欠です。
樹主による適切な伐採と植林を繰り返すことによって、若木の成長が助長され、活発な大気浄化作用を促し、温暖化防止効果が高まるのです。
しかし、一定の成長期を過ぎると木の光合成は弱まり、逆に酸素を吸収し始めます。
そこで、樹種の成長限界で伐採し、新たに若木を植えて、CO2吸収効果の活性化を図る必要があります。
「植林」により木を育て、伐採し、また育てることを繰り返して、常に再生を促し続けなければなりません。
そして、木は「木材」として加工された後も生き続けます。
大工産の家は『森林浴の家』
木は、「木材」として加工された後も私たちに恩恵を与えてくれます。
水分を吸ったりはいたり、調湿作用によって室内の湿度調整を行い、私たちに心地良さを与えてくれます。
さらに、森林の木材からは、森林の香り成分といわれ、フィトンチッドという不思議な微粒子が放出されます。森林の中にいると、なんとも清々しい気持ちになり、意欲が湧いてきたりしますが、殺菌性や安らぎ効果も確認されている森林浴効果です。
もちろん、木材として加工された後も、この香り効果は長期間持続します。
大工産の家が『森林浴の家』と形容されるのは、いつまでも木材の心地良い香りに包まれて生活できるからです。
大工産は、木の特質と水蒸気に対する正しい知識、そしてそれらをふまえた理にかなった家づくりを心掛けております。
私たちは、「木から受けられる恩恵」を、できるだけ多くの方に体感してもらいたいと考えています。